電気通信サービス
Current language: 日本語 (2023)
関連問題 (六 の 二十六)
いくつかの問題がグレーアウト表示されている理由
SASB基準は産業内の異なる持続可能性リスクと機会により産業ごとに異なります。灰色で示されている問題は基準設定プロセスの際、企業価値に影響を与える可能性が最も高いものとして認識されなかったため、基準には含まれていません。時とともにSASB基準理事会が市場のフィードバックを受け取るにつれ、いくつかの問題が基準に追加され、あるいは 基準から削除されることがあります。各会社は、持続可能性問題がその会社の企業価値を作り出す能力に影響するかどうかにつき、自ら決定します。この基準は産業内の典型的な会社を対象として設計されていますが、それぞれの会社は、各社独自のビジネスモデルに基づき異なる持続可能性問題について報告することを選択できます。-
環境
- GHG排出
- 大気質
-
エネルギー管理
このカテゴリーは、エネルギー消費に関連する環境影響を対象としています。このカテゴリーは、会社が所有または管理していない、公益事業会社(電力網からの電力)から得られる製造及び/または製品とサービスの提供におけるエネルギーの管理を対象としています。具体的には、エネルギーの効率や強度、エネルギーミックス、電力網依存度などの管理が含まれます。上流(サプライヤーなど)及び下流(製品使用など)のエネルギー使用は範囲に含まれません。 - 水及び下水管理
- 廃棄物及び危険物管理
- 生態系への影響
-
社会資本
- 人権と地域社会のつながり
-
顧客のプライバシー
このカテゴリーは、関連会社と非関連会社を通じたマーケティングを含むがこれに限定されない二次的な目的のために、個人を特定できる情報(PII)及びその他の顧客やユーザーのデータを使用する場合のリスクの管理を対象としています。このカテゴリーの範囲には、データの収集、同意の取得(オプトインポリシーなど)、データの使用方法に関するユーザーと顧客の期待の管理、及び変化する規制の管理に対する企業のアプローチによって生じる可能性のある社会的問題が含まれます。このカテゴリーでは、サイバーセキュリティリスクに起因する社会的課題は除外されており、別のカテゴリーで対象としています。 -
データセキュリティ
このカテゴリーは、機密性が高い、または独占所有権がある顧客やユーザーのデータの収集、保持、使用に関連するリスクの管理を対象としています。これには、個人を特定できる情報(PII)とその他のユーザーや顧客のデータが流出する可能性があるデータ漏洩などのインシデントに起因する社会的問題が含まれます。このカテゴリーは、ITインフラストラクチャー、スタッフのトレーニング、記録保持、法執行機関との協力、及び顧客やユーザーのデータのセキュリティを確保するために使用されるその他の仕組みに関する企業の戦略、ポリシー、及び慣行を対象としています。 - アクセスとアフォーダビリティ
- 製品の品質と安全性
- 顧客の福祉
- 販売慣行と製品のラベリング
-
人的資本
- 労働慣行
- 従業員の健康と安全
- 従業員エンゲージメント、多様性とインクルージョン
-
ビジネスモデルとイノベーション
- 製品設計とライフサイクル管理
- ビジネスモデル回復力
- サプライチェーン管理
-
材料の調達と効率
このカテゴリーは、気候変動とその他の外部の環境的及び社会的要因の影響に対する材料サプライチェーンの回復力に関する問題を対象としています。このカテゴリーには、さらに主要な資源の利用可能性と価格に影響を与える可能性があるこのような外部要因がサプライヤーの事業活動に与える影響が含まれます。これは、再生材と再生可能材の使用、主要材料の使用量削減(脱物質化)、製造における資源効率の最大化、代替材料への研究開発投資などによる製品の設計、製造、使用後管理を通じて、これらのリスクを管理する能力を対象としています。また、企業は、外部リスクに対する回復力を確保するために、サプライヤーの審査、選択、監視、エンゲージメントによって、これらの問題を管理できます。これは、個別のサプライヤーの事業活動によって生じる環境的及び社会的外部性に関連する問題は対象としません。それらは、別のカテゴリーで対象としています。 - 気候変動の物理的影響
-
リーダーシップとガバナンス
- 経営倫理
-
競争行動
このカテゴリーは、過剰な価格、サービスの質の低さ、非効率性など、独占企業の存在に関連する社会問題を対象としています。これは、交渉力、談合、価格協定、価格操作、特許と知的財産(IP)の保護など、独占的慣行と反競争的慣行に関する法的及び社会的期待の企業による管理を対象としています。 - 法規制環境の管理
- クリティカルインシデントリスク管理
-
システミックリスク管理
このカテゴリーは、経済と社会が依存しているシステムの大規模な弱体化または崩壊によって生じるシステミックリスクに対する企業による貢献または管理を対象としています。これには、金融システム、自然資源システム、技術システムが含まれます。これは、企業がシステミックリスクへの寄与を最小限に抑え、システム上の欠陥の影響を軽減する可能性のある予防手段を改善するための仕組みを対象にしています。金融機関については、このカテゴリーには、金融ストレスおよび経済ストレスから生じるショックを吸収する能力と、業界内の企業の複雑性や相互関連性に関係する、より厳しい規制要件を満たす能力が含まれます。
開示トピック
一般問題カテゴリと開示トピックの関係はどのようなものですか?
一般問題カテゴリは、各SASB基準に出てくる開示トピックの産業非依存性版です。開示トピックは、一般問題カテゴリの産業特異的な影響を表しています。産業特異的開示トピックは、各SASB基準が産業に合ったものであるようにし、一方一般問題カテゴリは産業全体に渡る比較ができるようにします。例えば、健康と栄養はノンアルコール飲料産業における開示トピックで、顧客福祉という一般的問題に対する産業特異的対策を表しています。しかし、顧客福祉という問題は、バイオテクノロジー・医薬品産業では、偽薬開示トピックとして表されます。(産業非依存性)
開示トピック (産業特異的) に対し: 電気通信サービス
-
事業の環境評価指標
個人向けの電気通信サービス会社は、相当量のエネルギーを消費している。エネルギー源とその発電効率に応じて、通信ネットワークのインフラ設備による電力消費は、気候変動などの環境外部性に大きく寄与し、このインダストリーの持続可能性に対するリスクを生み出している。ネットワーク機器とデータセンターのエネルギー効率は向上しているが、電気通信インフラ設備とデータトラフィックの拡大に伴い、ネットワーク全体のエネルギー消費量は増加している。通信サービス会社が、全体的なエネルギー効率または強度、さまざまな種類のエネルギーへの依存、および代替エネルギー源を入手する能力、を管理する方法は、エネルギー効率と再生可能エネルギーへのインセンティブと温室効果ガス排出量(GHG)の価格設定をもたらす、気候変動に対する世界的な規制の焦点が高まるにつれて、ますますマテリアルになっている。このインダストリーではエネルギーへの支出が大きな影響を与えるため、業務のエネルギー効率を改善できる企業は、コスト削減と利益率の向上を実現できる。
-
データプライバシー
顧客が携帯電話、インターネット、および電子メールサービスを取り巻くプライバシーの問題にますます注意を払うにつれて、通信サービス会社は顧客データの使用に関して強固な管理実務とガイドラインを導入する必要がある。通信サービス企業は、増大する顧客の位置情報、ウェブブラウジング、および人口統計データを使用して、サービスを改善するとともに、それらのデータを第三者に販売することで収益を生み出している。プライバシーに関する公衆の関心の高まりにより、消費者データの使用、収集、販売に関する規制当局による監視が強化されている。これらの傾向が、電気通信サービス会社にとって、提供されるデータの量と種類、およびその用途の性質(たとえば、商業目的での使用)を含む、顧客データの第三者への提供に関する方針を透明性高く導入し伝えることの重要性を、増している。さらに、電気通信サービス会社は、顧客情報に対する政府の要請を受け、それに応じるかどうか、決定しなければならない。このインダストリーでこの分野の履行管理ができない企業は、消費者の信頼感の喪失と顧客離れの結果として収益の減少、および法的リスクにさらされることによる財務的な打撃、の影響を受けやすい。
-
データセキュリティ
電気通信サービスインダストリーは、企業が増大する個人を特定できる情報や人口統計、行動、位置情報などの顧客データを管理しているため、データセキュリティの脅威に対して特に脆弱である。重要な通信インフラ設備に対するサイバー攻撃の最近の例は、ネットワークセキュリティの強化の必要性を示している。不適切なデータセキュリティの脅威への防止、検出、および改善は、顧客の獲得と維持に影響を与え、市場シェアの減少と会社の製品の需要の低下をもたらしうる。評判の低下や顧客の乖離に加えて、データ漏えいは一般的にID保護の提供やデータ保護に関する従業員のトレーニングなどの改善取組みなどの費用増加にもつながる。重要なインフラのプロバイダーとして、サイバー攻撃に対抗する企業の能力は、市場シェアと収益成長率の可能性への長期的な影響を伴う信用評価とブランド価値に影響を与えうる。したがって、タイムリーな方法でデータセキュリティリスクを識別して対処できる企業は、サイバー攻撃へのリスクの露出を減らしながら、市場シェアとブランド価値を保護するためのより良い立場を占めうる。さらに、新たに出現したデータセキュリティの基準と規制は、コンプライアンスのコストの増加を通して企業の運営費に影響を与える可能性がある。
-
ライフサイクル終了製品の管理
通信デバイス、特に携帯電話は急速に陳腐化するため、リサイクル率が低いことも一因となって、埋め立て処分となる電気電子機器廃棄物(e-waste)の割合が増加している。電気通信サービス会社は、この問題に関連して増大する規制リスクに直面している。複数の法的管轄域が、電子機器の小売業者と製造業者に電子機器のリサイクル、再利用、または適切な廃棄のためのシステムを作り出すことを義務付ける電気電子機器廃棄物リサイクル法を導入している。初期のこれらの法律の多くは限られた範囲の製品を対象としていたが、通信デバイスからの電気電子機器廃棄物に関する懸念が高まるにつれ、新しい法律は、モバイルデバイスにまで及び、電気電子機器廃棄物の収集、処理、リサイクル、または適切な処分に対する資金調達まで企業に要求している。多くの場合、電気電子機器廃棄物法では、ベンダーや製造業者に、そのような廃棄物のリサイクル料金を支払うか、製品の回収およびリサイクルプログラムを導入するよう要求している。このような法律による罰金や費用は、製品の再生および再販売から生じる潜在的な収益とともに、業界の企業が(製品の)ライフサイクル終了時の影響を管理するインセンティブを増大させている。多くの電気通信サービス会社は、電話機製造会社と協力して、電気通信サービスとモバイルデバイスをバンドルしているため、これらのデバイスの耐用年数後の管理について責任を共有している。顧客との関係が、製品のリサイクル、再利用、廃棄を効果的に管理する機会を提供している。さらなる再利用、リサイクル、あるいは再製造のために使用済みマテリアルを回収するための回収プログラムの確立は、企業のコスト削減と製造マテリアルのレジリエントな供給を可能にする。
-
競争行為とオープンインターネット
電気通信サービスインダストリーは、高い資本コストが最も効率的な業務を提供してくれる、自然に独占状況を作り出す典型的な例がある。電気通信、ケーブル、および衛星会社の特性が集中しているため、競争を確実にするよう設計された規制環境のパラメーターの範囲内で成長戦略を管理する必要がある。自然な独占状況に加えて、このインダストリーの多くの企業は、各サービス加入者との契約関係および加入者がサービスプロバイダーを変更するための障壁による、ネットワークの「ラストマイル」と呼ばれる端末アクセス独占の恩恵を受けている。この関係性は、インターネット上のすべてのデータがパフォーマンスとアクセスの点で等しく扱われる、オープンインターネットを保護する必要性に関する多々の議論の礎となっている。このインダストリーは、競争を確実にすることを目的として継続する法的および規制措置に直面しており、それは一部の大規模企業の市場シェアと成長の可能性を制限しうるものである。支配的な市場プレーヤーによる合併および買収活動は、規制当局の監視下に置かれている。これにより、企業は統合の計画を放棄し、その価値に影響を与えている。企業が法的な課題に対して脆弱で、リスクプロファイルと資本コストが増加する場合、市場支配への強い依存もリスクの原因となりうる。
-
テクノロジーの中断によるシステムリスクの管理
通信ネットワークのシステム的な重要性を考えると、通信サービス会社のネットワークインフラ設備が信頼性に欠け、事業継続性リスクに陥りやすい場合、システム全体または経済全体に混乱が生じる可能性がある。気候変動に関連する異常気象事象の頻度が高まるにつれ、通信サービス会社は、潜在的に重大な社会的またはシステム的な影響を伴う、ネットワークインフラ設備の物理的な脅威の増大に直面するだろう。レジリエントで信頼性の高いインフラ設備に欠ける場合、企業は、サービスの停止に関連する収益の損失や、破損または欠陥のある機器の修理のために想定外の資本支出に、直面する可能性がある。重要性の高い事業運営の特定を含み事業継続性リスクに対処する、またはシステムのレジデンスを強化する、ための対策の導入に成功した企業は、リスクの発生を大幅に削減し、したがって資本コストを低くおさえうる可能性がある。このような対策の導入には初期費用がかかる可能性があるが、影響の大きい混乱が発生した場合の修復費用の低減によって、企業は長期的な利益を享受しうる。