関連問題 (六 の 二十六)
いくつかの問題がグレーアウト表示されている理由
SASB基準は産業内の異なる持続可能性リスクと機会により産業ごとに異なります。灰色で示されている問題は基準設定プロセスの際、企業価値に影響を与える可能性が最も高いものとして認識されなかったため、基準には含まれていません。時とともにSASB基準理事会が市場のフィードバックを受け取るにつれ、いくつかの問題が基準に追加され、あるいは 基準から削除されることがあります。各会社は、持続可能性問題がその会社の企業価値を作り出す能力に影響するかどうかにつき、自ら決定します。この基準は産業内の典型的な会社を対象として設計されていますが、それぞれの会社は、各社独自のビジネスモデルに基づき異なる持続可能性問題について報告することを選択できます。-
環境
- GHG排出
- 大気質
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エネルギー管理
このカテゴリーは、エネルギー消費に関連する環境影響を対象としています。このカテゴリーは、会社が所有または管理していない、公益事業会社(電力網からの電力)から得られる製造及び/または製品とサービスの提供におけるエネルギーの管理を対象としています。具体的には、エネルギーの効率や強度、エネルギーミックス、電力網依存度などの管理が含まれます。上流(サプライヤーなど)及び下流(製品使用など)のエネルギー使用は範囲に含まれません。 - 水及び下水管理
- 廃棄物及び危険物管理
- 生態系への影響
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社会資本
- 人権と地域社会のつながり
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顧客のプライバシー
このカテゴリーは、関連会社と非関連会社を通じたマーケティングを含むがこれに限定されない二次的な目的のために、個人を特定できる情報(PII)及びその他の顧客やユーザーのデータを使用する場合のリスクの管理を対象としています。このカテゴリーの範囲には、データの収集、同意の取得(オプトインポリシーなど)、データの使用方法に関するユーザーと顧客の期待の管理、及び変化する規制の管理に対する企業のアプローチによって生じる可能性のある社会的問題が含まれます。このカテゴリーでは、サイバーセキュリティリスクに起因する社会的課題は除外されており、別のカテゴリーで対象としています。 -
データセキュリティ
このカテゴリーは、機密性が高い、または独占所有権がある顧客やユーザーのデータの収集、保持、使用に関連するリスクの管理を対象としています。これには、個人を特定できる情報(PII)とその他のユーザーや顧客のデータが流出する可能性があるデータ漏洩などのインシデントに起因する社会的問題が含まれます。このカテゴリーは、ITインフラストラクチャー、スタッフのトレーニング、記録保持、法執行機関との協力、及び顧客やユーザーのデータのセキュリティを確保するために使用されるその他の仕組みに関する企業の戦略、ポリシー、及び慣行を対象としています。 - アクセスとアフォーダビリティ
- 製品の品質と安全性
- 顧客の福祉
- 販売慣行と製品のラベリング
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人的資本
- 労働慣行
- 従業員の健康と安全
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従業員エンゲージメント、多様性とインクルージョン
このカテゴリーは、企業がその文化、雇用慣行、昇進慣行が、現地の人材プールの構成や顧客基盤を反映した、多様で包括的な労働力を確実に構成する能力を対象としています。人種、性別、民族、宗教、性的指向などの要素による差別的慣行の問題も対象としています。
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ビジネスモデルとイノベーション
- 製品設計とライフサイクル管理
- ビジネスモデル回復力
- サプライチェーン管理
- 材料の調達と効率
- 気候変動の物理的影響
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リーダーシップとガバナンス
- 経営倫理
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競争行動
このカテゴリーは、過剰な価格、サービスの質の低さ、非効率性など、独占企業の存在に関連する社会問題を対象としています。これは、交渉力、談合、価格協定、価格操作、特許と知的財産(IP)の保護など、独占的慣行と反競争的慣行に関する法的及び社会的期待の企業による管理を対象としています。 - 法規制環境の管理
- クリティカルインシデントリスク管理
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システミックリスク管理
このカテゴリーは、経済と社会が依存しているシステムの大規模な弱体化または崩壊によって生じるシステミックリスクに対する企業による貢献または管理を対象としています。これには、金融システム、自然資源システム、技術システムが含まれます。これは、企業がシステミックリスクへの寄与を最小限に抑え、システム上の欠陥の影響を軽減する可能性のある予防手段を改善するための仕組みを対象にしています。金融機関については、このカテゴリーには、金融ストレスおよび経済ストレスから生じるショックを吸収する能力と、業界内の企業の複雑性や相互関連性に関係する、より厳しい規制要件を満たす能力が含まれます。
開示トピック
一般問題カテゴリと開示トピックの関係はどのようなものですか?
一般問題カテゴリは、各SASB基準に出てくる開示トピックの産業非依存性版です。開示トピックは、一般問題カテゴリの産業特異的な影響を表しています。産業特異的開示トピックは、各SASB基準が産業に合ったものであるようにし、一方一般問題カテゴリは産業全体に渡る比較ができるようにします。例えば、健康と栄養はノンアルコール飲料産業における開示トピックで、顧客福祉という一般的問題に対する産業特異的対策を表しています。しかし、顧客福祉という問題は、バイオテクノロジー・医薬品産業では、偽薬開示トピックとして表されます。(産業非依存性)
開示トピック (産業特異的) に対し: ソフトウェアおよびITサービス
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ハードウェアインフラの環境評価指標
クラウドベースのサービス提供の成長に伴い、このインダストリーの企業はより多くのデータセンターやその他のハードウェアを所有、運用、またはレンタルすることが増えている。したがって、ITハードウェアインフラストラクチャに関連するエネルギーと水の使用を管理することは、株主価値にとってマテリアルである。 データセンターには継続的に電力を供給する必要がある。データセンターには継続的に電力を供給する必要があり、エネルギー供給の中断は、中断の規模とタイミングによっては、運用に重大な影響を与える可能性がある。企業は、データセンターの冷却の必要性により、エネルギーと水の消費量の二律背反に直面している。冷却装置の代わりに水でデータセンターを冷却することは、エネルギー効率を向上させる手段であるが、地域の重要な水資源の依存へとつながる可能性がある。データセンターの仕様に関する決定は、特に世界的に当局が気候変動に対し重点的に取組み、エネルギー効率と再生可能エネルギーの技術革新から機会も生まれているため、コストを管理し、エネルギーと水の供給の信頼性を確保し、レピュテーションリスクを低下させるために重要である。
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データプライバシーおよび表現の自由
ソフトウェアおよびITサービス企業がインターネットやモバイルデバイスを介して製品やサービスを提供することが増えているため、2つの別個のしばしば矛盾する優先事項を注意深く管理する必要がある。一方では、企業は顧客データを使用して、顧客に新しい製品やサービスを新しく導入および提供し収益を生み出している。他方、個人データ、人口統計データ、コンテンツデータ、行動データなど、幅広く顧客データにアクセスできる企業に対しプライバシーの懸念がある。この拮抗する動きにより、世界中の多くの国で規制当局による監視が強化されている。また、クラウドベースのソフトウェアとITサービスの提供は、政府が利用者データにアクセスし市民の自由を制限するために使用するかもしれない、という懸念を引き起こしている。この分野での効果的な管理は、収益の減少、市場シェアの低下、および罰金の可能性やその他の訴訟費用を伴う規制措置につながる可能性のある、規制およびレピュテーションリスクを軽減するために重要である。
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データセキュリティ
ソフトウェアおよびITサービス企業は、自社のデータと顧客のデータを危険にさらす、サイバー攻撃やソーシャルエンジニアリングによるデータセキュリティの脅威の増大の標的となっている。データセキュリティの脅威に対する不適切な防止、検出、および改善は、顧客の獲得と保持に影響を与え、市場シェアの縮小と会社の製品の需要の低下をもたらす可能性がある。評判の毀損や顧客の乖離に加えて、データ漏えいは、一般にID保護の提供やデータ保護に関する従業員のトレーニングなどの改善の取組みに関連する費用の増加にもつながる。それと同時に、新たに出現したデータセキュリティの基準と規制は、コンプライアンスのコストの増加を通して企業の運営費に影響を与える可能性がある。さらには、このインダストリーの企業は、データを安全に保つための需要を満たすための安全なソフトウェアとサービスを提供していることによって、収益機会を見出すのに良い位置につけている。
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グローバルな、ダイバーシティのある、熟練している労働力の採用と管理
従業員は、ソフトウェアおよびITサービスインダストリーにおける価値創造の主要な貢献者である。このインダストリーの求人数は増え続けているが、企業は一般的に、これらのポジションを埋めるために資質のある従業員を採用することは難しさを見出している。技術力のある国内労働者の不足により、高度な技能を持つ従業員を獲得するための激しい競争が発生し、高い離職率につながっている。人材不足に対応するために、企業は外国人や海外事業を採用することが多く、従業員の管理と持続可能性の課題、および関連するビジネスリスクを生み出している。一部の企業は、国内の熟練した従業員の可用性を拡大するために、関連する教育およびトレーニングプログラムを実施している。企業は、金銭的および非金銭的な大きなメリットを提供し、従業員エンゲージメントを改善することによって定着率と生産性を向上させている。従業員エンゲージメントとワークライフバランスを改善するためのイニシアチブは、多様な労働力の採用と維持に影響を与えるかもしれない。このインダストリーは、女性やマイノリティグループの代表性が比較的低いという特徴がある。多様な人材層からの採用および育成の取組みは、人材不足に対処し、一般的に企業が提供価値を向上させることができる。従業員の高いダイバーシティはイノベーションにとって重要であり、企業が多様でグローバルな顧客基盤のニーズを理解するのに役立つ。
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知的財産の保護および競争行為
ソフトウェアおよびITサービスインダストリーの企業は、収益のかなりの部分を、特許や著作権の取得など、知的財産保護に費やしている。知的財産保護は、このインダストリーの一部の企業のビジネスモデルに固有であり、イノベーションの重要な推進力である、企業の知的財産慣行は、論争を引き起こす社会的問題になる場合がある。企業は、特に同社が支配的な市場プレーヤーである場合、競争とイノベーションからの利益へのアクセスを制限するために、特許やその他の知的財産保護を取得することがある。ソフトウェアの複雑さ、その抽象的な性質、およびソフトウェアに関連する知的財産権利保護の強化により、このインダストリーの企業は、重複する特許クレームをナビゲートして運用できるようにする必要がある。その結果、このインダストリーの企業は、非倫理的な商慣行に従事している、またはそうしていると認識されている場合、または知的財産権の侵害で他者を訴えている場合、特許違反の申し立てにより、絶えず係争中あるいは規制当局の監視を受けたりしていると見るかもしれない。独占禁止法および知的財産権に関連する不利な法的または規制上の判決は、結果として、インダストリーの企業を費用のかかる長期にわたる訴訟および潜在的な金銭的損失にさらす可能性がある。このような判決は、特許または主要市場での支配的地位が法的に異議を唱えられた場合、企業の市場シェアと価格決定力にも影響を及ぼし、収益に重大な影響を与える可能性がある。したがって、知的財産の保護とイノベーションを促進するために使用するバランスを取りながら、知的財産管理やその他のビジネス慣行が競争を不当に制限しないようにすることができる企業は、市場価値を保護しながら規制の監視や法的措置を緩和する可能性がある。
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テクノロジーの混乱によるシステムリスクの管理
クラウドコンピューティングの増加とSoftware as a Service(SaaS)の使用の傾向に伴い、ソフトウェアおよびITサービスプロバイダーは、サービスの中断を最小限に抑えるために、堅牢なインフラストラクチャーと方針を確実に導入する必要がある。コンピューティングおよびデータストレージ機能がさまざまなインダストリーの個々の企業サーバーからクラウドコンピューティングサービスプロバイダーのデータセンターに移行することにより、プログラミングエラーやサーバーのダウンタイムなどの中断が、システム全体におよぶリスクを生じさせる可能性がある。特に、影響を受ける顧客が金融機関や公益事業など、重要な国家インフラとされる敏感なセクターにいる場合、リスクは強調される。企業のITインフラストラクチャーとサービスの信頼性と品質を向上させるための投資は、顧客を引き付けて保持する能力に影響を与え、それによって新しい市場での収益と機会に影響を与えることができる。